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(過ぎたことは忘れちまえ)つらつら書くなり
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 ここのところtwitterばかりでブログを書く意欲がなくなっていたけれど、
せっかく持っているメディアだから活用しないともったいないよなと思いはじめた。

最近読んだ本

浄土三部経 無量寿経
悟った人のうち解脱していないアーナンダに、仏界の真実を説いて聞かせるというような形式で、淡々と仏教的世界観をかたる本。浄土宗は日本の仏教の基本なので、一度目を通すとよいかも。

The winter of Frankie Machine
訳ありの過去をもつフランクは第一線から身を引いて悠々自適の生活を送っていたが、ある日突然命をねらわれ、昔の因縁を解き放つ為、家族の為に立ち上がる、というようなダークヒーロー物。二転三転するストーリーが見物。日本語訳も出ているのでそちらでも良いかも。

嘆異抄
仏教の教えが広まるなかで、邪道とも呼べるような教えがどんどん増えてきてることを嘆き、真の仏の教えとは、仏の慈悲に一切を任せることだ、と「他力本願」の思想をといた本。現代仏教には宗派毎の教えの違いはあっても根本的な概念である仏の慈悲という点では、ほとんど変わりがないということがこの本を読むとよくわかる。

インド哲学7つの難問
西洋哲学とも中国思想とも違うインド哲学の考え方を、基本的な7つの事柄を例にとって解説してくれる入門書。表現の仕方は違えども仏の慈悲というような、世界の全能性を信じてそこに身を委ねるというような仏教にも通じる考え方が既にこの中に見られる。

四畳半王国見聞録
四畳半神話体系のアニメが割と評判よかったせいか、出版社がごり押しで書かせたのではないかと邪推するくらい中身の薄い本。基本的には主人公の四畳半に対する執念と、持てない男の怨念を、今まで出てきた森見ワールドのキャラをそこはかとなく絡めながら延々と描いて行く話。

他にも色々読んだけど
とりあえずこんなところかな。
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9月はサブカル系のものばかり見たり読んだりしていたので、
10月は学術系の物も入れてみました。
 
コンパイラインタプリタ開発 林 晴比古著
プログラミングをしていて面倒なのが、いちいちコンパイルして実行しなければならないこと。でも自分の作ったプログラムにインタプリタを組み込んで自作スクリプトを動かすことができれば、そんな悩みは解消される。自分が作るソフトも結構似たようなソフトが多いので(ネット系とエンタメ系)ベースを作っておいて、他のことはスクリプトにやらせようというのが長年の野望だった。以前BASICのようなスクリプトは作ったことがあるんだけど、ちゃんとしたC言語みたいなスクリプトを作りたい。そのためのスクリプトエンジン作成入門書はたぶんこれ一冊だけだと思う。他の本は全部コンパイラコンパイラの使い方解説書でしかないので、一からエンジン作成を理論とともに載せている本は非常に貴重だと思う。
 
思想地図Vol.5 東浩紀編
現代の文芸批評家や哲学者、芸術家などをあつめて持論を語らせた本。なかなかまともなものもあるけれども中には文章がくどくて読む気に慣れない人もいた。かなり好き嫌いが分かれる内容だと思う。編者が編者なので、サブカル論の類を語っている人たちはかなりまともな内容だったが、それ以外の現代社会批評の類はかなり我田引水気味だったので、参考になるかどうか迷う内容だと思う。
 
複数の日本語 工藤真由美、八亀博美共著
これは非常に面白い本だった。日本語の方言についてアスペクト体系の違いから、助詞の使い方まで比較して説明してある。特に標準語の2項対立型アスペクトと西日本の3項対立型アスペクトの解説は分かりやすく、関東地方で生まれ育った私としては目からうろこの内容だった。また、方言文法の標準語への適用によるコミュニケーション障害についてなども扱っており、方言と別言語という区別にはほとんど差異がないとはっきり分かるような、言語接触状況についての解説がてんこ盛りです。これで1500円は安い。
 
変わる方言動く標準語 井上史雄著
統計分析による方言分布図の分析を行っている本。新書なので細かい分析などは望むべくもないが、考え方や実験の経過をまとめてあるのでなかなか面白い。どこかで行った講演の内容をそのままテキストに起こして加筆修正を行ったということで、全編会話調でかいてある。なので、文章の量に対して内容はそれほどでもないが、実際に交通費をだして公演を聴きに行くよりは後でほんの形にまとめてもらった方がこちらとしては楽なので、これはこれでありだろう。
 
日本語学 特集テーマ別ファイル 文法2
学術雑誌「日本語学」の特集テーマ「日本語の文法」を一冊にまとめたもの。シリーズで出ているらしいが、この一冊は歴史的文法の変遷などを追ったもの。地方などでは古くから都で使われていた言葉がそのまま使われていたりするので、そういった事をより理論的に知りたいと思ったのだが、あまりそういう記述はなく、古典文法について若干主観的とも思われる主張がなされている文章も含まれていた。中には古典文法を時制とアスペクトの視点から解説したものもあり、参考になった。言語の変遷だけでなく学問の変遷も負うことができる貴重な一冊。
 
駅前旅館 井伏鱒二著
駅前旅館とは昭和初期などに主要な駅の前に必ずあった民宿のようなもののことです。主人公はそういう旅館の番頭をしているが、若いころから根っからの遊び人で、同じような性癖をもった仲間たちと酒や女にほんろうされるぐだぐだの日常を過ごしてゆく、という昔の携帯小説のような小説。昔のモラルや風俗などがわかって面白い。
 
家日和 奥田英朗著
この作者お得意の現代社会を皮肉ったコメディー小説。ネットオークションにはまる主婦や、離婚寸前で自分の好みの家具を買いまくる男の話とか、軽いノリで現代的テーマをかたっぱしから撫でてゆく感じがこの作者の真骨頂だと思う。撫でる感じがいいね。
 
 まぁ宮台のサブカル論が結構面白かったので、その流れで
東浩紀をフォローし始めたのですが、なかなかの壊れっぷりで、
かなりオタク度が高い私でも付いていけない点がかなりあります。

でもなかなかやってることや言ってることは面白いのでしばらくフォローしてみようかと思います。

十年くらい前から宮台真司がサブカル論から日本社会を語る活動というのをはじめて、
その当時はまだ高校生くらいだったし、あまり興味もなかったのだけれど、
今になってから彼の本を読んでみると結構的を得たことがたくさん書いてあるので、
思索の参考になります。(ちなみに今「なります」をうっかり変換したら「成増」になった)

特に最近の萌えキャラ全盛には常々疑問を抱いていたので、
結構参考になりました。
あとはその手のヲタ作品の分類とかもわりと納得いく感じでしたね。

セカイ系(エヴァンゲリオンとか)から空気系(けいおん!らき☆すた)・学園異能系(灼眼のシャナ)みたいなところは、たぶん最初期のセカイ系は読んだことがあったんだけど、それ以降の物は全然触れてなかったので、どんなものか理解するのが難しかったですが、今は動画投稿サイトっていう便利なものがあるのよね,,,

ふつうに面白いものも、見るに堪えないものもたくさんありましたが、
なんかこう,,,中二病とか、そういうものもまとめて理解した気がします,,,

大雑把に言うと、SF&ファンタジー系の作品というのは日本で出始めのころは、海外のファンタジーを踏襲したような異世界冒険がメインで、壮大な?世界観のもとにヒーローが活躍する設定が多かったのが、コンテンツとして消費されつくした&社会情勢が変わったので、「世界平和」とか「社会の危機」より(思うに、こういうコンテンツを作っていた世代は戦中戦後派が多い)、「日常の鬱屈」とか「日常の退屈さ」(高度成長期以降)に対抗するためのコンテンツが、必要とされるようになった。そんなわけで、ヲタ向け作品は舞台を「異世界」から「現実社会(日常)」へシフトしていったわけね。しかも、凡人の日常っていうのは限られた範囲で展開されるために、登場人物もどんどん減る。そして、登場人物が自由に行動できるようにするために様々な設定を駆使して、現実にはあるであろうさまざまな障害を作品から削除して行き、最終的に残るのは「理想的なキャラ像」だけっていう結果になった。

「ツンデレ」とか「妹キャラ」とか、そういう属性だけが残って、社会関係は完全無視。
なぜなら現実社会の人間関係などを私的領域で無関係化するために消費するコンテンツだから。そして「キャラ」をひたすら愛でる行為を通して、社会とは関係のないコミュニティを形成する。

けいおん!とか社会現象になるくらいの作品は上に描いたようなことだけじゃなくて、
現代日本人のほぼ9割以上が卒業していると思われる高校生活を、
つまらない要素を一切排除して、「あぁこんな生活がおくれたらいい(よかった)のに、、、」って思わせる、そういう仕組みが実に巧妙だとも思います。
この点では空気系(大体マンガ)も学園異能系(大体ラノベ)も同じかな。
空気系はキャラ萌え路線、学園異能系は中二病路線だと思うけど、
まぁそんなにたくさん見たわけじゃないからその辺はあいまいです。

社会現象っていうのは必ず理由とか機能があるんだよね。
このほかにも今興味がある分野が「ニコ生」とかの素人放送とそのコミュニティなんだけど、まだまだ見た量が少なくて分析できません。もう少しこの辺も考えてみたいと思っています。

九月は電車の中で続きものを読みふけっていたのであまり内容のあるものは読んでません。
エンタテインメントに走った9月でした。

屍鬼1~5
タイトルだけでもかなりネタばれになってしまうのはいかがなものかと思う作品。土葬の習慣が残る山村で、謎の病で死者が続発する。その原因を究明しようと、医師と寺の後継ぎがいろいろな分析を試みる。何の手がかりもつかめないまま犠牲者だけが増えてゆく中、村に風変りな一家が越してきて,,,
というような導入部だけよむとタルいので、最終部まで一気に読んだ方が絶対に面白い。正直言って一巻を買ったときはもう読むのをやめようかと思うくらいノロノロとした展開だったが、二巻以降は謎がだんだんと解き明かされてゆくプロセスが刺激的だ。合間に挿入される寺の後継ぎが書いている小説は、作中でも冗長な文章と書かれているだけあって装飾過多で読みにくく、真に遺憾ながらすべて読み飛ばした。そこさえ我慢できれば普通のホラー小説として面白い。ただし、メディアミックスで漫画やアニメになっていることからもわかるように、YA的・ライトノベル的要素も多いので、そういったものを全く受け付けない人は読まない方がいいでしょう。

武士道シックスティーン
宮本武蔵かぶれの剣道少女磯山香織は絶対の自信を持って市民剣道大会に出場するが、不思議な足さばきを見せる無名選手に完敗してしまう。その後入学した高校で二人は同じ部に所属することになり、お互いに反発しながら剣の道を突き進む,,,
女子高生二人が剣道に打ち込んで、それぞれの壁を打ち破ってゆく過程を描いた青春小説。昨今の風潮を取り入れて主人公級のキャラは全員女性。そういったライトノベル的要素が気にならなければ、自らの青春時代と重ね合わせながら読むことも十分に可能な作品だと思う。この自分の過去と重ね合わせながら楽しめるという要素は、ここ一二年の若向けメディアに共通しているもので、この小説は一見まっとうな小説に見えるが、かなりの部分でオタク産業が培ってきたキャラ手法を取り入れていると思う。

武士道セブンティーン
前作では戦友だった二人がライバル同士になるという展開。新キャラの黒岩玲奈と吉野先生がいい味出している。勝負に対する考え方の違いを通して、剣道とはそもそもなんぞや、武士道とはそもそもなんぞや、という問題に踏み込んでゆく。作中で明かされる武士道に対する考えはなかなか興味深い。上意下達・滅私奉公等のくだらない思想が展開されるのかと思いきや、意外とまともな結論が用意されていたところに好感が持てる。

武士道エイティーン
何というか、前作まででこの作品で言いたかったテーマは語りつくされてしまった感がある。登場人物の背景について語るという微妙な展開。他の2作品に比べるとパワーダウンしている。

日本的想像力の未来
オタク産業の潮流を通して、現代日本の社会現象を説明しようと試みる討論会を書籍化したもの。いわゆるサブカル論なのでなかなか肌に合わない人もいると思うが、そもそもなぜサブカルがこれほどはやるのかということについて考えるとき、こういった本があると便利。90年代以降の社会現象について明確に論じている宮台・東両氏の議論はなかなか興味深い。現実世界を虚構化するために二つの社会層が用いた手法がオタク化とナンパ化であるという指摘は正しいと思う。それ以外にも、村上隆のような賛否両論ある人が、持論をまとめて述べているので、本格的にサブカル論を読もうと思ってない人でも、この本を概論として読むのは悪くないです。
 

絶望的に出不精だった8月ももうすぐ終わりですよ,,,
これ以外にもいろいろ読んだけど、とりあえず今覚えてるものだけ。

Clive Cussler
Medusa
深海性クラゲとそれを使った新薬をめぐって争う勢力の間で翻弄される元諜報員の活躍を描く。この作品では主人公と、ヒロイン役の女の事のからみは最低限に抑えられていて、事件の内容にページ数を割いているところが良い。サスペンスもので恋愛要素にページ数を割くのはハリウッド的水増し法だと思うので、これは好印象だった。小説は小説らしく、映画は映画らしく。というのが基本だと思うので、これは模範的SF小説だった。

Lost City
上に書いたMedusaが面白かったので、それ以前に書かれた小説も購入してみた。今度は深海海底や熱水噴出孔を調査中に突然襲撃される。しかもその襲撃者は獣のような姿をしていて、、、という感じの話。この話では、ハリウッド的水増しが行われていて興ざめ。しかし、いろいろな水中活動用器具などが出てきてメカや化学・生物などが好きな人には受ける要素がある。現代を舞台にした正統派SFという感じ。

内田百閒
ノラや
昭和初期の猫バカとして名高い内田百閒による、猫好きのためのエッセイ集。ペットが家族の一員などと言われだしてから久しいが、そんな事をいちいち口に出さなくとも昔からそうだったのだということが、この本を読むとよくわかる。じいさまが悲嘆にくれている様は、文章で読んでいてもこっちが気恥ずかしくなるくらいで、一緒にいた猫(に限らずペットの類)がいなくなった経験のある人にはお勧め。

長嶋有
エロマンガ島の三人
桃太郎電鉄に出てくる実在の「エロマンガ島」に行ってエロマンガを読もうというしょうもない企画で島に実際にいく3人の男。しかしそのうち一人は緊急に代理に立った男で、、、という表題作と、同じ作者の「パラレル」に出てきた登場人物のその後の話、表題作の後日談、といったように作者の世界が実はつながっているのではないかという気にさせる短編集。中には作家デビュー間もないころに書かれた作品も交じっており、これは他の作品とは確かに多少印象が違う。長嶋有の文章の変遷を追うことができる短編集。

ジャージの二人
それぞれ離婚の危機を迎えている父子が高原の別荘で過ごすダルい夏の日々を淡々と描く。別荘地のイメージ通りの人の行動や、高原は要するに田舎だという描写などが折り重なって、主人公たちの所在のなさを浮き彫りにしてゆく。
「何事も考え方次第」という主人公たちの生き方に共感できるか否かで、この作品が楽しめるかどうかが左右されると思う。いつも思うが、男女の視点の違いをかき分けるのが上手だ。決してどちらの味方でも無い、という書き方も好印象。

本多孝好
正義のミカタ
底辺校でイジメにあっていた主人公が一念発起して大学に入学するが、そこには元いじめっ子も入学している。偶然「正義の味方研究部」に誘われた主人公が、正しいとは何なのか、自分らしさとは何なのかを考えてゆく話。頑張ることの意味と意味のなさについて、あまり表のメディアには出てこないしネット上などでもすぐにたたかれて終わりそうな考えかたを真面目に取り上げた小説。若干短絡的なところはあるものの、若者向けの青春(いわゆる非リア充の再生物語)小説としては良い。

万城目学
かのこちゃんとマドレーヌ夫人
小学生になったばかりのかのこちゃんの家には犬と猫が一匹ずついる。猫と犬とかのこちゃんの日常をそれぞれの視点から描く。犬や猫って何考えてるんだろうと、ペットを飼ったことがある人は必ず思う。そんな妄想をお話にした。作者お得意の夏目漱石へのオマージュ要素もなくはないがかなり薄め。SF(すこしふしぎ)小説。

ザ・万歩計
「どうなんやろな俺ら」「あかんやろ」この本はこの会話に尽きる。あとは蛇足。おもしろい蛇足。以上!

アイヌ神謡集
知里千恵編訳
アイヌの物語を原文ローマ字書き起こしに日本語訳をつけたもの。獣や自然の神々が一人称でアイヌの人々の生活や儀式について語る。歴史的資料として面白いのみならず、アイヌ語を文字でまとめてみることができるのでなかなか興味深い。

夏の庭
湯本香樹実
暇をもてあましている好奇心旺盛な小学生三人組が、近所のぼろ屋に住んでいるおじいさんが「死ぬ」所を見ようと付きまとっているうちに仲良くなって、、、というような、ありがちといいたくなるタイプの話。何というか、ズッコケ三人組(那須正幹)の大人向け小説版といった感じ。王道すぎる気もするけど、話は悪くない。


 

bananavender.jpgこの間渋谷のブックファーストによったら、
店の前にこんなものが,,,

新聞などでそこはかとなく話題になっていた、
「バナナの自動販売機」
一本何と130円。高い!
バナナひと房500円(うろ覚え)。高い!

なんていうか,,,,話題性だけのような気がする。
最近たまに見かける200円のスポドリと同じ感じ。


あと、たまたまネットで見かけたこの動画がめちゃくちゃ面白い。
社会言語学的な見地から。
よくよく聞いてると、この子の日本語はかなりの部分を耳で覚えたものだということがわかる。
一応歌手やってるみたいだから、耳がいいんだろうね。
ただし!耳で覚えたせいか、ものすごくいろんなスタイルが混ざってる。
ギャル。
アイドル。
ヤンキー。
学校の先生。
仕事(たぶん音楽事務所)の人。
注意して聞いていると面白いと思う。
内容は,,,,まぁそれなりです。

さて、最近読んだりみたりしたもの:
The book of illusions written by Paul Auster
妻と子供を亡くした男が、あるサイレント映画の役者について調べるうちに、
思いもよらない出来事に巻き込まれてゆく話。
出てくる人物にも厭味があまりなく、善人悪人が程良く混ざって出てくるので、
読んでいて飽きない。
洋書を最後まで読むためには「飽きない」事はかなり大きな要因なので、
これは良い。お勧め。

概念化と意味の世界
認知言語学の本。おもに意味体系をどのように認知しているか、
またどのように構築されてゆくのか、について扱った理論書。
はっきり言うと、オブジェクト指向言語(プログラミングの)のうちの、
プロトタイプ型言語の考え方そのままでした。
要するにコンピュータ言語開発と、言語学の発展というのは、
切っても切れない関係にあるということがよくわかる。

古事記 岩波版
言わずと知れた日本の神話を稗田阿礼が編纂した本。
8世紀の本なのだが、中を読んでいて明らかに文体が変わっているところがある。
それ以前は各地の神話や伝説を集めた部分
以降は権力を正当化するための文書、となっている。
それがはっきり分かる形でのこされているとはなかなか興味深い。

臨済録
鎌倉仏教の二大巨頭の一つ臨済宗のもとになった臨済が、
弟子のために語った自身の修行のエピソードや、
いわゆる禅問答の実践回答集である。
完全に理解できるほど悟っていないが、
ある程度の基礎知識があれば、臨済の言いたいことが何となくわかる。
結局、禅の根本は「自分の感覚や常識を疑う」ということ。
これを最初から最後まで繰り返し説いている。

他にもいろいろ読んだけど、長くなってきたのでまた今度。
ブログを放置しすぎて、ほぼ誰も見ていないという状態になった。

ということは、このブログの存在意義が危うい、ということになる。
特段書くこともなかったので書かずに置いたが、
いざ誰も見ないということになると、
一寸悔しい気分になるのはなんでだろう。

五月というのは連休から始まるということもあり、
ごくごく個人的なことばかりしていた。
しかもブログに書いてもしょうがないような、
どうしようもないことばかり。
何かを吸収するチャンネルを遮断して、
自分の中にこもっていたというか。
というよりIn/Outの両方を遮断していた気もする。

不思議なもので、人間には気持の揺り戻しというものがあり、
今は大分いろいろと吸収したい気分です。
久々にスペイン語の勉強もしているし。
これはすごく画期的で、DELEの上級(いまのC2)を取得して以来、
単語集などを開いたりすることはなかったのだが、
一念発起して慣用句を覚えようとしているところだ。
単語はどれだけ覚えてもきりがないけれど、
頻度の高い慣用句だったら意外と限られているので、
学習効果が高いと踏んだのだ。

それと言語学関係のことも復活させて、
どうしても必要そうな基本書の類を購入し、昼休みなどに読む(眠いけど)。
できれば移動中も読む。

こういう風に書くと凄くやる気に満ちているように見えるが、
実際は五月のだらけ気分を引きずってます。
ちゃんと頭を切り替えないといかん!と思ってる。

ただちょっといろいろ手を出しすぎている感もある。
1:洋書(英語)を読む
2:言語系の学術書を読む
3:日本の古典を読む
4:スペイン語の慣用句を覚える。
なんていうか、言語関係のことばかりだけど、
正直言って処理量を超えてしまっている気がする。
気ばかり焦って効率も悪いし,,,
この上にプログラミングとかを加えると、
もう頭の中が支離滅裂状態です。

あー、四月からいろいろ仕事が増えたということもあって、
脳が強制シャットダウン状態になったのが五月だったのかな。

気がつけば二カ月近くブログを放置していた。
五月はどうもごくごく個人的なこと以外は脳のスイッチがオフになっていたようで、
あまり社会的な活動というのはしていなかったように思う。

この二か月の間にいろいろと思うことがあったので、
この機会を利用して書いておこう。

1:ツイッターでよくみられる「努力して日本人になったわけではないから国を頼るな」云々は嘘っぱち
経営者などの立場から、被雇用者を貶める目的でよくつかわれているこの台詞、
一見的を得ているように見えるが、本当はまったくもっておかしい。
このようなセリフを吐いている人や組織も当然のことながら日本の国家組織・法律体系に守られている。そしてその組織や規則を運営するための税金は国民全員で負担しているものです。
運営費を負担している人間には等しく利用する機会が与えられるのが当然です。
ゆえに、自分はその組織や規則を利用していながら、他人が利用しようとするのを批判するのはおかしい。
経営者サイドの人は自分は納税額が多いから、という論理も持ち出すようですが、
そもそもその納税額の多寡も、社員が協力しなければ達成できなかったものです。
要するに、より多く利用する権利があるかもしれないが、他人が利用することを邪魔する権利はありません。
ゆえに彼らがこのような言説を第三者が多く目にするようなメディアに振りまくことは、
風説の流布ともいうべき、社会体制への挑戦にほかならない。と考えます。

2:「いまどきの若者は外国に出たがらない、覇気がない」も嘘っぱち
ちなみに外国に出ていろんな経験をした人のことを積極的に雇う企業はありません。
大体、外国にでていろんな経験をすると、日本社会のいびつさもよく見えるようになります。いびつさが見えてしまうと、なかなかそれに100%なじむのも難しい。
ほぼすべての企業で、日本の企業文化を100%抵抗なく受け入れる人間が雇いたいと思っている状況で、わざわざ自分を不利にするようなことをしたがる人はそう多くありません。
それに、英語が話せて、ついでに中国語ができて、日本の企業文化に楽に染まることができて、というようなスーパーマンがそんなに多くないのは昔からです。別に今に始まったことではない。
おまけに、こういうことをいう人のほとんどがバブル期に会社に入ったような人たちで、
現在の学生は昔ほどお金を持っていないということを考慮していない。
おまけに今は三年生から就職活動なので、実質二年と少ししか、海外に出て見聞を広げる時間がありません。
海外体験と企業文化の習得を同時に行うのは、
能力的に可能でも、ほとんどの人にとっては経済的に厳しいです。
もしこういう人間を増やしたいと思うならば、国や企業は積極的に奨学金を出して、
学習の機会を広げる努力をするべきだ。

3:「ミンシュはだめ」も嘘っぱち
まぁ優はあげられないにしても可は出せると思います。
新政権になったころに出た政策ビジョンに関する本を読めばわかるが、
「民意を反映する政治」というのは「市民が積極的に参加する政治」のことです。
平たく言えば「全員で貧乏くじを引きましょう」ということです。
しかしながら、今の日本で積極的に社会を変革しようと行動する人間がどれだけいますか?ほとんどいないと言わざるを得ないでしょう。
誰もが「自分だけは貧乏くじを引きたくない」と思ってる。
こういう状況下では、頓挫するのは元から目に見えていたのです。
この失敗の結果を国民全員で受け止めて、
社会を変革しようと少しずつ自分でも行動するようになる事を期待したいです。
どのセイトウがいいとか悪いとかいうより、社会全体に当事者意識がないのが問題です。
今回の政権は問題提起を盛大に行ったと思えばいい。
「そんな暇はない」も嘘っぱち。
国破れて山河ありです。人には未来が必ずある。

以上

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