(過ぎたことは忘れちまえ)つらつら書くなり
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9月はサブカル系のものばかり見たり読んだりしていたので、
10月は学術系の物も入れてみました。
10月は学術系の物も入れてみました。
コンパイラインタプリタ開発 林 晴比古著
プログラミングをしていて面倒なのが、いちいちコンパイルして実行しなければならないこと。でも自分の作ったプログラムにインタプリタを組み込んで自作スクリプトを動かすことができれば、そんな悩みは解消される。自分が作るソフトも結構似たようなソフトが多いので(ネット系とエンタメ系)ベースを作っておいて、他のことはスクリプトにやらせようというのが長年の野望だった。以前BASICのようなスクリプトは作ったことがあるんだけど、ちゃんとしたC言語みたいなスクリプトを作りたい。そのためのスクリプトエンジン作成入門書はたぶんこれ一冊だけだと思う。他の本は全部コンパイラコンパイラの使い方解説書でしかないので、一からエンジン作成を理論とともに載せている本は非常に貴重だと思う。
思想地図Vol.5 東浩紀編
現代の文芸批評家や哲学者、芸術家などをあつめて持論を語らせた本。なかなかまともなものもあるけれども中には文章がくどくて読む気に慣れない人もいた。かなり好き嫌いが分かれる内容だと思う。編者が編者なので、サブカル論の類を語っている人たちはかなりまともな内容だったが、それ以外の現代社会批評の類はかなり我田引水気味だったので、参考になるかどうか迷う内容だと思う。
複数の日本語 工藤真由美、八亀博美共著
これは非常に面白い本だった。日本語の方言についてアスペクト体系の違いから、助詞の使い方まで比較して説明してある。特に標準語の2項対立型アスペクトと西日本の3項対立型アスペクトの解説は分かりやすく、関東地方で生まれ育った私としては目からうろこの内容だった。また、方言文法の標準語への適用によるコミュニケーション障害についてなども扱っており、方言と別言語という区別にはほとんど差異がないとはっきり分かるような、言語接触状況についての解説がてんこ盛りです。これで1500円は安い。
変わる方言動く標準語 井上史雄著
統計分析による方言分布図の分析を行っている本。新書なので細かい分析などは望むべくもないが、考え方や実験の経過をまとめてあるのでなかなか面白い。どこかで行った講演の内容をそのままテキストに起こして加筆修正を行ったということで、全編会話調でかいてある。なので、文章の量に対して内容はそれほどでもないが、実際に交通費をだして公演を聴きに行くよりは後でほんの形にまとめてもらった方がこちらとしては楽なので、これはこれでありだろう。
日本語学 特集テーマ別ファイル 文法2
学術雑誌「日本語学」の特集テーマ「日本語の文法」を一冊にまとめたもの。シリーズで出ているらしいが、この一冊は歴史的文法の変遷などを追ったもの。地方などでは古くから都で使われていた言葉がそのまま使われていたりするので、そういった事をより理論的に知りたいと思ったのだが、あまりそういう記述はなく、古典文法について若干主観的とも思われる主張がなされている文章も含まれていた。中には古典文法を時制とアスペクトの視点から解説したものもあり、参考になった。言語の変遷だけでなく学問の変遷も負うことができる貴重な一冊。
駅前旅館 井伏鱒二著
駅前旅館とは昭和初期などに主要な駅の前に必ずあった民宿のようなもののことです。主人公はそういう旅館の番頭をしているが、若いころから根っからの遊び人で、同じような性癖をもった仲間たちと酒や女にほんろうされるぐだぐだの日常を過ごしてゆく、という昔の携帯小説のような小説。昔のモラルや風俗などがわかって面白い。
家日和 奥田英朗著
この作者お得意の現代社会を皮肉ったコメディー小説。ネットオークションにはまる主婦や、離婚寸前で自分の好みの家具を買いまくる男の話とか、軽いノリで現代的テーマをかたっぱしから撫でてゆく感じがこの作者の真骨頂だと思う。撫でる感じがいいね。
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