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絶望的に出不精だった8月ももうすぐ終わりですよ,,,
これ以外にもいろいろ読んだけど、とりあえず今覚えてるものだけ。
Clive Cussler
Medusa
深海性クラゲとそれを使った新薬をめぐって争う勢力の間で翻弄される元諜報員の活躍を描く。この作品では主人公と、ヒロイン役の女の事のからみは最低限に抑えられていて、事件の内容にページ数を割いているところが良い。サスペンスもので恋愛要素にページ数を割くのはハリウッド的水増し法だと思うので、これは好印象だった。小説は小説らしく、映画は映画らしく。というのが基本だと思うので、これは模範的SF小説だった。
Lost City
上に書いたMedusaが面白かったので、それ以前に書かれた小説も購入してみた。今度は深海海底や熱水噴出孔を調査中に突然襲撃される。しかもその襲撃者は獣のような姿をしていて、、、という感じの話。この話では、ハリウッド的水増しが行われていて興ざめ。しかし、いろいろな水中活動用器具などが出てきてメカや化学・生物などが好きな人には受ける要素がある。現代を舞台にした正統派SFという感じ。
内田百閒
ノラや
昭和初期の猫バカとして名高い内田百閒による、猫好きのためのエッセイ集。ペットが家族の一員などと言われだしてから久しいが、そんな事をいちいち口に出さなくとも昔からそうだったのだということが、この本を読むとよくわかる。じいさまが悲嘆にくれている様は、文章で読んでいてもこっちが気恥ずかしくなるくらいで、一緒にいた猫(に限らずペットの類)がいなくなった経験のある人にはお勧め。
長嶋有
エロマンガ島の三人
桃太郎電鉄に出てくる実在の「エロマンガ島」に行ってエロマンガを読もうというしょうもない企画で島に実際にいく3人の男。しかしそのうち一人は緊急に代理に立った男で、、、という表題作と、同じ作者の「パラレル」に出てきた登場人物のその後の話、表題作の後日談、といったように作者の世界が実はつながっているのではないかという気にさせる短編集。中には作家デビュー間もないころに書かれた作品も交じっており、これは他の作品とは確かに多少印象が違う。長嶋有の文章の変遷を追うことができる短編集。
ジャージの二人
それぞれ離婚の危機を迎えている父子が高原の別荘で過ごすダルい夏の日々を淡々と描く。別荘地のイメージ通りの人の行動や、高原は要するに田舎だという描写などが折り重なって、主人公たちの所在のなさを浮き彫りにしてゆく。
「何事も考え方次第」という主人公たちの生き方に共感できるか否かで、この作品が楽しめるかどうかが左右されると思う。いつも思うが、男女の視点の違いをかき分けるのが上手だ。決してどちらの味方でも無い、という書き方も好印象。
本多孝好
正義のミカタ
底辺校でイジメにあっていた主人公が一念発起して大学に入学するが、そこには元いじめっ子も入学している。偶然「正義の味方研究部」に誘われた主人公が、正しいとは何なのか、自分らしさとは何なのかを考えてゆく話。頑張ることの意味と意味のなさについて、あまり表のメディアには出てこないしネット上などでもすぐにたたかれて終わりそうな考えかたを真面目に取り上げた小説。若干短絡的なところはあるものの、若者向けの青春(いわゆる非リア充の再生物語)小説としては良い。
万城目学
かのこちゃんとマドレーヌ夫人
小学生になったばかりのかのこちゃんの家には犬と猫が一匹ずついる。猫と犬とかのこちゃんの日常をそれぞれの視点から描く。犬や猫って何考えてるんだろうと、ペットを飼ったことがある人は必ず思う。そんな妄想をお話にした。作者お得意の夏目漱石へのオマージュ要素もなくはないがかなり薄め。SF(すこしふしぎ)小説。
ザ・万歩計
「どうなんやろな俺ら」「あかんやろ」この本はこの会話に尽きる。あとは蛇足。おもしろい蛇足。以上!
アイヌ神謡集
知里千恵編訳
アイヌの物語を原文ローマ字書き起こしに日本語訳をつけたもの。獣や自然の神々が一人称でアイヌの人々の生活や儀式について語る。歴史的資料として面白いのみならず、アイヌ語を文字でまとめてみることができるのでなかなか興味深い。
夏の庭
湯本香樹実
暇をもてあましている好奇心旺盛な小学生三人組が、近所のぼろ屋に住んでいるおじいさんが「死ぬ」所を見ようと付きまとっているうちに仲良くなって、、、というような、ありがちといいたくなるタイプの話。何というか、ズッコケ三人組(那須正幹)の大人向け小説版といった感じ。王道すぎる気もするけど、話は悪くない。