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(過ぎたことは忘れちまえ)つらつら書くなり
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九月は電車の中で続きものを読みふけっていたのであまり内容のあるものは読んでません。
エンタテインメントに走った9月でした。

屍鬼1~5
タイトルだけでもかなりネタばれになってしまうのはいかがなものかと思う作品。土葬の習慣が残る山村で、謎の病で死者が続発する。その原因を究明しようと、医師と寺の後継ぎがいろいろな分析を試みる。何の手がかりもつかめないまま犠牲者だけが増えてゆく中、村に風変りな一家が越してきて,,,
というような導入部だけよむとタルいので、最終部まで一気に読んだ方が絶対に面白い。正直言って一巻を買ったときはもう読むのをやめようかと思うくらいノロノロとした展開だったが、二巻以降は謎がだんだんと解き明かされてゆくプロセスが刺激的だ。合間に挿入される寺の後継ぎが書いている小説は、作中でも冗長な文章と書かれているだけあって装飾過多で読みにくく、真に遺憾ながらすべて読み飛ばした。そこさえ我慢できれば普通のホラー小説として面白い。ただし、メディアミックスで漫画やアニメになっていることからもわかるように、YA的・ライトノベル的要素も多いので、そういったものを全く受け付けない人は読まない方がいいでしょう。

武士道シックスティーン
宮本武蔵かぶれの剣道少女磯山香織は絶対の自信を持って市民剣道大会に出場するが、不思議な足さばきを見せる無名選手に完敗してしまう。その後入学した高校で二人は同じ部に所属することになり、お互いに反発しながら剣の道を突き進む,,,
女子高生二人が剣道に打ち込んで、それぞれの壁を打ち破ってゆく過程を描いた青春小説。昨今の風潮を取り入れて主人公級のキャラは全員女性。そういったライトノベル的要素が気にならなければ、自らの青春時代と重ね合わせながら読むことも十分に可能な作品だと思う。この自分の過去と重ね合わせながら楽しめるという要素は、ここ一二年の若向けメディアに共通しているもので、この小説は一見まっとうな小説に見えるが、かなりの部分でオタク産業が培ってきたキャラ手法を取り入れていると思う。

武士道セブンティーン
前作では戦友だった二人がライバル同士になるという展開。新キャラの黒岩玲奈と吉野先生がいい味出している。勝負に対する考え方の違いを通して、剣道とはそもそもなんぞや、武士道とはそもそもなんぞや、という問題に踏み込んでゆく。作中で明かされる武士道に対する考えはなかなか興味深い。上意下達・滅私奉公等のくだらない思想が展開されるのかと思いきや、意外とまともな結論が用意されていたところに好感が持てる。

武士道エイティーン
何というか、前作まででこの作品で言いたかったテーマは語りつくされてしまった感がある。登場人物の背景について語るという微妙な展開。他の2作品に比べるとパワーダウンしている。

日本的想像力の未来
オタク産業の潮流を通して、現代日本の社会現象を説明しようと試みる討論会を書籍化したもの。いわゆるサブカル論なのでなかなか肌に合わない人もいると思うが、そもそもなぜサブカルがこれほどはやるのかということについて考えるとき、こういった本があると便利。90年代以降の社会現象について明確に論じている宮台・東両氏の議論はなかなか興味深い。現実世界を虚構化するために二つの社会層が用いた手法がオタク化とナンパ化であるという指摘は正しいと思う。それ以外にも、村上隆のような賛否両論ある人が、持論をまとめて述べているので、本格的にサブカル論を読もうと思ってない人でも、この本を概論として読むのは悪くないです。
 

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