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(過ぎたことは忘れちまえ)つらつら書くなり
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 ヨーロッパのお役所らしく、有給休暇を消化せよという話になり、旅行に行ってきた。
最初は沖縄に行こうかと思ったのだが、レンタカーをかりて移動しないとイマイチ面白くないとの話を聞き、別な場所に行くことにした。大分悩んだのだが、毎日異国気分を味わっているため(毎日ヨーロッパの役人と顔を突き合わせる生活を想像してみよう!)、日本的情緒にあふれるところに行きたい気持ちが強かったので、日本一「日本的な」町、京都へ行ってきた。

 10月14日、朝8時の新幹線で一路京都へ。当日の天気予報では、午前は雨、午後は曇りということだったので、どこかへ出かける頃には止んでくるだろうと高をくくっていた。
のぞみに乗れば新横浜からわずか2時間あまりで京都まで行ける。便利なものだ。
 駅からホテルに電話すると、荷物を預かってくれるということだったので直接ホテルへ。予約したのは京都駅脇の京都第二タワーホテル。見晴らしだとか、いい雰囲気の路地だとか、そういったことにはまったく無縁の宿だが、とにかく京都駅から近い上、リーズナブルな値段なので、宿として申し分ない。結局荷物を預かってもらうだけでなくチェックインも午前中からできたので、部屋に荷物を置いて出かけた。

 2年前に京都へ行ったときは、おもに京都の北の、しかも山の中へ行ったので、南のほうや、街中にあるようなところは殆ど行かなかった。中学の時の修学旅行で行ったのかもしれないが、ほぼ記憶から消えているので、行ったことがないのと同じことだ。
 最初の目的地は、修学旅行の時にも行かなかった宇治の平等院鳳凰堂。京都へ行ったのに最初の目的地は宇治市内というあたりは自分でも首をかしげたくなるが、行きたくなったものは仕方がない。

 JR奈良線に乗って30分弱で宇治駅に到着。予報通りに現地は雨。しかも駅の前には人っ子ひとりいない。あまりの侘しさに心がくじけそうになるが、気を取り直して徒歩10分程度のところにある平等院へ。

さすがに平等院には雨にもかかわらず人がいて、少し安心した。堂内の拝観は、ちゃんとした学芸員の人が案内してくれて、解説をしてくれるので、良心的だ。たぶん質問をしたらちゃんと答えてくれると思う。
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堂内の阿弥陀如来は国宝に指定されているだけあって非常に威厳がありかつ美しいものだ。最近多少仏像について勉強しているので、見るべき点がある程度分かるようになり、楽しい。平等院の宝物館(だったかな?)を見終わると、再び雨の中へ。晴れていればさぞ美しいであろう宇治川も雨が降っていてはただただ物悲しい。
橋を渡って反対側にある宇治神社と宇治上神社に参拝。渋い狛犬があったので早速撮影した。
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狛犬の脇に石積みがあったのだが、ちょっと妖気というか霊気というかそんなものを感じたので写真を撮るのはやめておいた。やはり信仰の対象となるものは、それなりの存在感があるので、時々恐ろしくなる。ちなみに狛犬は、悪意をもつ存在に対して自分を誇示して追い払うのが目的のものなので、写真を撮っても問題はない、と個人的に思っている。神社の参拝が終わったら、雨が強くなってきたので、宇治茶を買ってから京都へ引き返した。

 京都駅までは戻らず、一つ手前の東福寺駅でおりて、泉涌寺(せんにゅうじ)へ向かう。丘の上にあるので行くまでがちょっと大変だったのだが、行ってみたら修復工事中で中には入れなかった。ひょっとしたら入るところがあったのかもしれないが、誰もいなかったので、聞くこともできなかった。後ろ髪ひかれる思いでそのまま徒歩で東福寺へ。東福寺へ行くまでの間、住宅街を通って行ったのだが、なかなか味のある建物や、地元の生活を垣間見られるような場所がいくつかあって、ちょっと興味深かった。
 東福寺はどうも紅葉の名所として有名なようだ。まだまだ初秋ということで、紅葉には程遠かったが、ほんのりと色づいてきていた。
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境内には巨大な三門や石庭などがあり、それも見ごたえがある。京都へいくなら見逃せない場所だろう。ぜひ晴れた日に再訪したいものだ。しばらく石庭を眺めてボーっとした後に、隣の伏見稲荷大社へ。
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地元にも伏見稲荷の末社があり、正月にはのぼりが立つので、そういった縁もあるのでちょっと楽しみにしていたのだが、何しろ雨が弱くならない。仕方がないので千の鳥居巡りはあきらめて、名物雀の串焼きでも食べるかと思ったら、現在中止しているとのこと。悪いことは重なるものだ。結局ウズラの串焼きと、鰻(そういえば前に京都に来た時も鰻を食べた)を食べてお茶を濁した。

雨の中を歩き続けて疲れたので、一度ホテルに戻ってから、四条河原町へ行ってショッピング。
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錦市場をざっと見まわって、最終日のお土産購入の目星をつけた。
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ついでに寺町通りなどに点在する小さな神社やお寺などにも参拝して、文化財保護の為だと思いながらお賽銭を上げた。歩き回りすぎて足が痛くなったので食事は適当に済ませて初日が終わった。

2日目の朝は快晴。早起きして朝七時半には通りへ出た。まず市バスの一日乗車券(500円でお得。市内の220円均一区間だけを回るつもりなら必携だと思う)を購入してから、一杯コーヒーを飲んで(於京都タワー下のスターバックス)から東本願寺へ。
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朝の法話をちょっと聞いてから隣の西本願寺へ。どちらも本堂は改修工事中ではあったが、やはりそれなりの味があるものだ。駅まで引き返そうと思ったのだが、途中で金閣寺行きのバスが目にとまったのでそれに飛び乗った。
金閣寺についた時点で9時5分くらい。すでに修学旅行の生徒でごった返していて唖然とする。とにかく凄い人で、自由に動くことができない。
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写真を撮りつつ早々に退散して、隣の竜安寺へ。庭が美しい竜安寺では、庭師が激論を交わしていた。やはり美しい庭は、妥協のない仕事によって保たれているのだ。
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全体的に高い拝観料はそのために払っているといっても過言ではない。有形無形を問わず、文化の保護・振興にはお金がかかる。その点は学問と同じだ。

竜安寺を後にして徒歩で仁和寺(一休さんってここだっけ?)へ。庭園と宝物館、五重塔が素晴らしい。
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一見してそれとわかる密教系の寺(わかりやすい密教系の見分け方例:やたらとびらびらした金工の飾りがついている。色とりどりの垂れ幕が下がっている等)。パンフレットによると真言宗だそうだ。密教はヒンドゥー教の影響が色濃く残っており、ちょっと調べると、日本の神道がどれだけ外来の宗教によって影響され、時には同化していたのか、ということがよくわかる。現代の日本人が仏教と神道を見分けにくいのもそのためだ。宗教的なことにまったく興味のない人は、たぶん別物であるという認識もできないに違いない。

仁和寺の後はバスを乗り継いで嵐山方面へ。まず最初に天竜寺へ行った。ちょうどお昼時だったので、庭園内にある精進料理の店へ。嵐山あたりはやはり気温が多少低いのか、山が全体的に赤みがかってきていて、秋がにじみだしてきているような印象を受ける。
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そんな景色を横目で見つつ食事。ひととき贅沢な気分を味わう。食事の内容は、ムラサキイモの煮付け、栗の甘露煮、茶巾蒸し団子、ごま豆腐、湯葉、なすの煮物、お浸し、しば漬け・たくあん、味噌汁、ご飯、なしとブドウ、ほうじ茶というもの。非常においしくて、精進料理というものにたいする考えが変わった。どれもきめ細かな味付けがされていて、値段に見合う内容だったと思う。もう一度食べに行きたいものだ。庭園と竜の図があるお堂をゆっくりと見物した後に、いったん電車で京都駅まで戻った。まだまだ時間があったので、特別拝観中だという下鴨神社へ。
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ついた時には終了間際の3時50分くらいだったが、ぎりぎりセーフで滑り込み、前に来た時には公開していなかった舞殿や、大炊殿を見ることができた。ついでに和菓子を買った(この時道に迷って往生した。親切に道を教えてくれた地元の人に感謝)後、バスで四条河原町(京都の繁華街)までいって、あちこちで買い物をした。お酒とか、小物とか、いろいろ散財した。そういうのもたまにはいいだろう。
ホテルに戻ってシャワーを浴びた後に、地元で人気があるというホルモン焼きの店へ。昼は精進料理だったので、夜は肉が食べたくなったのだ。カウンターにはちょっと気難しそうな大将がいてちょっと気おくれしたが、馴染みの客と話しているところなどを観察してみると、実に感じのいい人で、ビールを飲みながら肉を腹いっぱい食べたあとお勘定を頼んだらちょっとおまけしてくれた。
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2日目はこんな感じで、うまいものを食べていいものをたくさん見て、良い経験をした、と思う。

3日目は、寺巡りはせず、電車に乗って琵琶湖へ。ほんとうは琵琶湖一周クルーズなるものをしてみたかったのだが、今の時期平日はやっていないということなので、琵琶湖を横断する航路に乗船した。JR湖西線に乗って近江今津まで行くと、駅の前に切実な事情をうかがわせる看板が,,,
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微力ながら貢献しました。

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  近江今津から、琵琶湖の真ん中にある竹生島(ちくぶじま)を経由して、対岸の長浜まで行く。竹生島で神社にお参りして、佃煮やら漬物やら(普段はこういうものは絶対買わないのだが、試食してみたら意外とおいしかったので、文化財保護の観点から?購入した。やはり少しは観光地で散財しないと地元産業がたちゆかなくなるよね)を購入したあと、対岸の長浜まで船に揺られた。昔から船に乗るのが好きなので、何とも心休まる(歩かなくていいしね)ひと時だった。

長浜駅から新快速に運良く乗車できたので、そのまま京都まで一直線。途中で「ひこにゃん」で最近有名になった彦根を通るが、本当に何にもない(彦根市民の皆さんゴメンナサイ)。
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最初に近江今津へ行った時も思ったのだが、琵琶湖周辺の市というのは、概して人口が少なく、琵琶湖観光の資源を奪い合っている、という印象が強い。どの駅にも地元の名所案内のようなものがあり、ちょっと調べてみると、お城やら、スキー場やら、パラグライダーの施設やら、観光船やらが、琵琶湖周辺に点在している。琵琶湖を取り巻くように、良くも悪くも平均的に存在していて、決して1か所に集中することがないという感じだ。そういった視点から見てみると、「ひこにゃん」がいかに大ヒットかつパラダイム転換的な存在なのかがよくわかる。限りある地元の資源で細々と営業するのではなく、新しいものを作り出して全国へ売り込むという、当り前のようだが難しいことをやってのけた彦根市の皆さんは素晴らしいと思う。

京都駅についてもまだ新幹線の時間までは間があったので、バスに乗って三十三間堂へ。
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おぼろげながら記憶にあったのだが、やはり1001体の仏像が一堂に会しているのは壮観の一言だ。中央の観音菩薩像も実にすばらしい出来で、いつまでも眺めていたい気がしたが、いかんせん観光名所過ぎてゆっくり見物などということができないのが残念だ。
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向かいの京都国立博物館で常設展を一回りしたあと、ホテルでもらった招待券で京都タワーへ。
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最後の締めとして京都市内全景を見ることができた。

 そして、ホテルで荷物を受け取った後、生八つ橋だとか、鯖寿司だとか、良くあるお土産をたっぷり買って帰りましたとさ。(帰ってから足がつったというオチがついたけどね)
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